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歯磨き粉選びが重要な理由とは?歯茎に良い成分も紹介
歯周病の予防のひとつに、歯磨き粉の選び方があります。歯磨き粉には、さまざまな成分が配合されており、歯ぐきの血行を促し、腫れや出血をおさえる作用や口臭予防、歯周病や虫歯予防に役立ちます。
歯ぐきのトラブルは、放置してしまうと全身疾患にも影響するため、歯ぐきの健康を保つために、歯磨き粉の使い方について知っておくことをおすすめします。
本記事では、歯ぐきのトラブルの種類、歯磨き粉の役割、使い方や選び方、配合される成分の種類、歯周病に合う歯磨き粉や予防の方法などについて解説します。
目次
歯茎のトラブルや疾病
厚生労働省の調査では、日本人の8割が歯周病を患っているという結果が出ており、高齢者になるほど歯周ポケットの溝が深くなる傾向があり、歯ぐきのトラブルは45歳以上が過半数を占めています。また、全年齢層の約4割の人に歯肉出血があると言われています。
歯ぐきの状態に対する自覚症状は、歯ぐきが痛い、腫れている、出血があるなどがあります。
歯ぐきのトラブルや疾患は、普段のケアを怠ったり、歯磨きのやり方が合っていなかったりすると発症のリスクが高くなりますので、前もって、疾患の種類や症状の特徴について知っておくことをおすすめします。
歯肉炎
歯に付着した歯垢(プラーク)が増えると、歯ぐきに細菌が増殖して歯歯肉炎になります。歯磨きが届きにくい歯と歯の隙間に常にプラークが付いていると発症しやすくなります。
歯肉炎は、歯ぐきに少量の出血が出ますが痛みがないため、自覚症状がなく気が付かないケースが多いです。症状としてはまだ軽度なので、早めに処置することで治りも早くなります。症状は、歯ぐきが炎症して赤くなり腫れてきます。悪化すると歯周ポケットの溝が深くなって歯肉炎から「歯周炎」へと進行します。
一方、「歯周炎」は歯槽骨や歯根膜にまで細菌が侵入するため、歯がグラグラして歯が抜けやすい状態まで症状が進行します。さらに細菌が歯周組織へ侵入すると歯周病になります。
- 歯肉炎:歯周病の初期段階
- 歯周炎:歯周病の中程度の段階
- 歯周病:歯肉炎から歯周炎へと進行する病気
歯周病
歯と歯の隙間に付着したプラークが原因で、歯の根っこの組織に細菌が侵入して歯周病になります。症状は、歯ぐきの赤みと腫れ、出血や強い口臭、歯の骨を溶かし始めると歯がグラついたり抜けたりします
歯周病の治療は、症状の進行レベルによって基本治療または外科治療を行います、
基本治療は、プラークや歯石の除去です。ただし、症状が悪化した場合は外科治療を行います。
歯周病の進行レベルは、症状によって大きく4段階に分類され、健康な歯は、歯ぐきがしっかりと引き締まっていますが、歯周病菌の侵入が進むと症状に変化が現れます。
- ステージ1:歯肉炎初期。歯ぐきの赤み、腫れ、かゆみがある。少量の出血
- ステージ2:軽度の歯周炎。歯ぐきの炎症、ブラッシングで出血がある
- ステージ3:中度の歯周炎。炎症が進み歯のぐらつき、歯周ポケットが深くなる
- ステージ4:重度の歯周炎。歯の骨が溶けはじめる。放置すると歯が抜ける
【関連記事】歯周病予防に効果的な歯磨きのやり方
歯茎からの出血
歯ぐきからの出血の90%は、歯肉炎や歯周病が原因ですが、それ以外にも、歯のかみ合わせが悪かったり、歯ぎしりや食いしばりがあると歯ぐきに余計な負担がかかって出血を伴う場合もあります。
また、ストレスがあって免疫力が低下すると唾液の分泌が減少するため、歯ぐきが炎症を引き起こしやすくなって出血するケースもあります。
さらに、歯ぐきの粘膜組織は、ビタミンCやたんぱく質などの栄養が不足すると、歯が浮いたような感じになって出血を起こすこともあります。
他にも、ホルモンのバランスが崩れたり、喫煙による歯ぐきの衰えや全身疾患による影響、などから、出血しやすくなることがあります。
歯ぐきを鍛えるためには、毎日の歯磨き習慣がとても大切になりますが、磨き方が強くて出血しないように正しい磨き方を知っておくことが大事です。
後退
歯ぐきが後退することを「歯肉退縮」と言い、歯ぐきの部分が下がって象牙質が剥き出しになると、冷たいものや熱いものがしみるようになって知覚過敏の症状が出ます。
知覚過敏は、歯ブラシに触れただけや温度変化の刺激で痛みを伴い、時間が経てば痛みはなくなりますが飲食をするとまた、歯ぐきの痛みが始まります。
歯ぐきが下がる原因は、歯周病によって歯ぐきが炎症を起こしていること、噛み合わせが合っていないこと、または、歯磨きのブラッシングが強すぎる場合があります。
歯ぐきはとてもデリケートな部分であるため、ゴシゴシ強く磨くとだんだん歯が後退してしまいます。他にも、加齢やホルモンバランスによって歯ぐきが後退することもあります。
歯ぐきが下がると、食べかすが歯と歯の隙間に詰まりやすくなってプラークが付着する原因になります。歯ぐきの後退を防ぐには、歯磨きの方法を改善して、歯に負担のかからない力加減でブラッシングすることが必要です。
不快感
歯ぐきの不快感は、歯周ポケットにプラークが蓄積している場合や、歯ぎしりで歯ぐきに過剰な負担がかかっていること、歯科医院での治療後に歯ぐきの状態が過敏になっている場合などがあります。
また、生活習慣が乱れていると免疫力が弱くなっているため、歯ぐきに悪影響を及ぼします。寝不足、不規則な食事、運動不足、ストレスなどは、歯の状態にも大きく関わっています。
歯ぐきの不快感は、痛みや腫れの他に、歯ぐきが着色して見た目にも悪くなることがあります。着色の原因は、歯の治療で装着した金属の破片が歯ぐきに付着する場合や、口呼吸、紫外線、タバコなどが原因でメラニン色素が沈着する場合があります。これらは、悪い病気に繋がることはありませんが、審美性にかけるため、気になる方は歯科医院で改善することもできます。
歯磨き粉選びが重要な理由
歯磨き粉の主な機能は、歯ぐきのトラブルに関わるプラークを取り除くことです。
歯磨き粉を使用してブラッシングした方が、24時間後の歯垢(プラーク)の付着量が使用していない時の1/3以下になります。
歯磨き粉には、歯ぐきに良い成分が含まれているため、弱まった歯ぐきを改善することができます。歯磨き粉なしの場合は、歯への負担は軽減できますが、含有成分の効果を得ることはできません。また、歯磨き粉を使用すると着色しやすい歯の表面を白くきれいに保つこともできます。さらに、薬用成分が配合されているものは、歯、歯周病予防や虫歯予防にも役立ちます。
歯ぐきのトラブルを解消するには、毎日の歯のセルフケアが大切です。正しい歯磨きの方法と、自分の歯ぐきの状態に適した歯磨き粉を選びましょう。
歯磨き粉の役割
歯磨き粉の役割は、プラークや歯石を除去すること、虫歯や歯周病の予防、視覚過敏を押さえること、口臭予防など、口内環境を整えるためです。
歯磨き粉には、歯をきれいにするための研磨剤や、細菌を除去するための殺菌・抗菌作用、
歯磨き後がリフレッシュできて口臭をなくすための成分等が含まれています。
各成分には、歯ぐきの状態によっては合わないものもあるため、自分の歯ぐきの健康状態に適した歯磨きを選ぶことが必要です。
歯茎によい薬用成分
歯磨き粉に含まれている歯ぐきに良い薬用成分について紹介します。歯磨き粉を購入する際に、商品の成分表をチェックする際に参考にしましょう。
トラネキサム酸
タンパク質を構成する成分の必須アミノ酸リシンをもとに人工的に合成されたアミノ酸の一種です。歯周病予防、口臭予防や歯の過敏に効きます。歯ぐきの出血を止める作用や、腫れや赤みなどの炎症を抑制します。
歯磨き後は、すぐに口をすすがないで数分間置いておく方が効果があります。
グリチルリチン酸ジカリウム
甘草の根に含まれるグリチルリチン酸にカリウム塩を加えて、水に溶けやすくした成分です。優れた消炎作用があり、歯周病予防、口臭予防に効きます。
ビタミンE(酢酸トコフェロール)
血行促進作用があるので、血管の収縮などを抑制します。歯ぐきの血行を促し弱まった歯ぐきの組織を修復し、歯周病の予防になります。
アラントイン
弱まった皮膚や粘膜の修復を促す成分で、抗炎症作用や抗刺激作用があります。低刺激で安全性が高くアレルギー体質の人も使用できます。歯周病の症状である腫れや出血、口臭を改善します。
OIM加水分解コンキオリン
アコヤガイの真珠層に含まれる硬たんぱく質を酸や酵素などで加水分解した成分です。
歯肉炎の予防、歯槽膿漏の予防、口臭予防に効きます。
CPC
塩化セチルピリジニウムは、殺菌作用に優れた成分です。歯磨き粉には殺菌剤として配合されています。歯周病予防、虫歯予防に効果があります。
LSS
ラウロイルサルコシンナトリウムは、殺菌作用のある成分です。細菌による酸化を抑制します。口臭の予防、再石灰化を促す作用があります。
IPMP
イソプロピルメチルフェノールは、殺菌作用、抗菌作用、抗酸化作用がある成分です。バイオフィルム内の細菌を殺菌する効果があります。
歯ぐきの炎症を抑える効果があり、歯周病予防に使用できます。
塩化ナトリウム(塩)
塩、食塩を含む成分です。血液の流れを良くするため、歯ぐきを引き締める作用や血行を促進する作用があります。歯周病によって弱まった歯ぐきを改善します。
歯磨き粉の選び方
歯磨き粉を選ぶ際は、主に以下のポイントをチェックしましょう。歯ぐきの健康のため以外に、審美性を高めたい方はホワイトニング効果のあるもの、また、磨き心地なども選ぶポイントとして確認しましょう。
- 歯周病・歯槽膿漏へのケア
- 虫歯予防
- 口臭ケア対策
- 知覚過敏を抑制
- 歯磨き後の清涼感
- ホワイトニング効果
なお、歯磨き粉は、歯や歯ぐきに刺激が強いものもありますので、使用上の注意を良く読んで適切なものを用意しましょう。もし、歯の治療中であれば、歯科医に直接相談してアドバイスしてもらうと、より安心してお使いになれます。
歯磨き粉の適量
歯磨き粉は、年齢に合わせて適量を使いましょう。特に小さいお子さんの歯磨きは、保護者の方がサポートしてあげることが大事です。
- 歯の生えはじめ〜2歳まで:1〜2mm。目安は米粒くらい
- 3~5歳まで:5mm。目安はグリーンピースくらい
- 7歳〜成人まで:2cm。
歯の生えはじめは、個人差がありますが、およそ6〜9か月くらいが平均です。歯が1本生えてきたら赤ちゃん用歯ブラシと歯磨き粉を用意して、1日2回を目安に歯磨きを始めましょう。
3歳を過ぎると、自分で歯磨きができるようになるので、保護者が歯磨き粉の量や磨き方をチェックしてあげましょう。
7歳を過ぎると大人と同じ量の歯磨き粉で磨くようになります。歯磨き粉はつけ過ぎも良くないので注意しましょう。
歯磨き粉を使用する際の注意点
歯磨き粉に発泡剤が含まれていると泡立ちが良いので、それだけで磨いたつもりになってしまうこともあります。泡立ちが良くても、磨き残しがないようにしっかり歯と歯の隙間や歯の裏側もきちんとケアするようにしましょう。
研磨剤が多く含まれている歯磨き粉は、あまり多く使いすぎると歯ぐきや歯の表面を傷つけてしまうこともあります。歯の表面はエナメル質で被われているので、研磨剤の効力で薄くなってしまう可能性もあります。
歯や歯ぐきへの負担がかからないように研磨剤や発泡剤などの成分をチェックしてから使いましょう。
なお、歯磨き粉を使って以下の症状が出た場合は、使用を辞めて歯科医院の受診をおすすめします。
- ・歯や歯ぐきが痛くなる
- ・歯に穴があく
- ・使用しても症状が改善されない
- ・歯ぐきが繰り返し出血する
- ・口内炎が治らない
歯磨き粉で歯周病・歯肉炎は治る?
歯磨き粉の作用は、歯に付着したプラークを除去することはできますが、硬くなった歯石は歯磨き粉では除去することはできないため、歯周病や歯肉炎を完治することは難しくなります。
ただし、歯磨き粉は歯周病や歯肉炎を治すことはできませんが、病気にならないように予防することや症状を改善することはできます。
歯科医院で歯周病や歯肉炎の治療中の場合に、症状を改善できる歯磨き粉を併用することで、治療後の回復を促すことができます。また、治療を受けている場合は、歯科医の推奨する歯磨き粉を使った方が安心です。
歯周病のメカニズム
歯周病のもとは歯に付着したプラークの蓄積です。プラークができるのは、食後の歯磨きが不十分な場合に、細菌の塊となって増殖します。
プラーク1mg中には約10億個の細菌があると言われており、歯周病菌を引き起こす元になります。
プラークは、黄色いネバネバとした粘着性のある物質で、プラークが除去できずに歯の隙間に残っていると、唾液に含まれるカルシウム成分と結合して歯石に変わります。
歯石が付くと歯の表面がザラザラになり、歯石の上にはプラークが付きやすくなって、さらに症状が悪化します。
歯周病が進行すると、歯周ポケットの溝が深くなって歯周骨へと細菌が侵入して、歯の根っこを腐らせていきます。最終的には、歯がグラグラして抜けてしまうことになります。
歯周病の発症原因
歯周病で歯周病菌が繁殖する原因は、生活習慣の乱れと、普段の口腔内ケアが不十分であるからです。
偏食しやすく喫煙習慣があり、ストレスを溜めやすい方は、口内環境が汚染されやすい状態です。さらに、普段のセルフケアが行き届いていないと、歯周病や虫歯のリスクは高くなります。
では、歯周病の発症の原因を、もう少し詳しく解説していきます。
偏食
唾液の分泌を減らさないように、良く噛んで栄養バランスの良い食事をすることが大切です。偏った食事は、免疫力の低下に繋がり、口内環境に大きく影響します。
歯に良い食事とは、食物繊維の豊富で低糖質な野菜や大豆食品、海藻類などを使った献立です。骨を丈夫にするには、果物に含まれているビタミン類も大事です。チーズは、歯のエナメル質を守るリン酸カルシウムが含まれているので、歯の再石灰化を助ける働きがあります。
飲み物については、フッ素やポリフェノールが含まれるお茶や、カルシウムやビタミンDが豊富な牛乳が歯にやさしい作用があります。また、緑茶に含まれているカテキンは、口内疾患や虫歯予防に効きます。
歯に良くない食品は、糖分の高いもの、酸性の食品です。酸性とはpH値の低いもので、コーラや梅酒、お酢、イチゴやオレンジなどが注意したい食品です。
糖分や酸性食品は、食べ方によって健康に良いものなので、食べた後のケアをすることが大切です。
喫煙
喫煙習慣がある人は、吸わない人よりも歯の疾患になりやすく、もし治療を行っても回復が遅くなる傾向です。
日本臨床歯周病学会によりますと、歯周病になるリスクは、1日に10本以上の喫煙では5.4倍、10年以上の喫煙では4.3倍に上昇すると出ています。
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ歯に必要な酸素が行き届かなくなるため、歯ぐきの炎症を引き起こします。また、歯を茶色く着色させて見た目も悪くなり、口臭もきつくなります。歯に付着したヤニは、歯磨きでは除去できないため、歯科医院でクリーニングを行う必要があります。
口腔ケア不足
歯ぐきにトラブルが生じるのは、普段のセルフケアが不十分であることです。毎食後に口の中は食べ物によって細菌が繁殖しやすい状態になっているため、歯磨きやケアをせずに放置しておくと、プラークが溜まって虫歯や歯周病に進行しやすくなります。
口腔内ケアは、正しい方法と歯の状態に適した歯磨アイテムを使っていないと、すぐにトラブルや疾患に繋がってしまいます。
歯や歯ぐきのトラブルになりやすい人は、歯科医院に相談して適切なセルフケアの方法をアドバイスしてもらいましょう。
ストレス
ストレスが溜まると免疫力が低下して唾液の分泌が悪くなります。口の中は、デリケートなので、唾液が少なくなって乾燥気味になるとすぐに細菌が増殖しやすい状態を作ります。
ストレスは、歯の状態だけでなく身体機能にも大きく影響を及ぼすため、メンタルヘルスのバランスが維持できるように、生活習慣から見直すことが大切です。
栄養バランスの良い食事と適度な運動、良質の睡眠を基本に、自分が楽しめることを作ってリフレッシュできる環境づくりが大事です。
歯周病を予防するための正しい歯磨き・口腔ケアのコツ
正しい歯磨きと口腔ケアをするために適切な歯磨きアイテムを準備しましょう。
歯周病専用の歯ブラシを選ぶ
歯周病専用の歯ブラシは、毛先が丸くカットされていて超極細でやわらかく、歯ぐきにやさしい歯ブラシです。歯周ポケットの奥の汚れまで磨けることや、歯ぐきへの当たりが良くマッサージ効果があります。毛先の太さは約0.01mmで、毛先が根元に向かって適度に太くなり、コシが出るようになっています。
ヘッドの大きさは、プラークが除去しやすいように、小さめのものが適しています。毛先の硬さは、硬すぎず、やわらかすぎないものが歯ぐきにやさしく負担がかかりません。
なお、歯ブラシが劣化してくるとプラーク除去ができなくなるため、歯ブラシの交換は、毛先がヘッドから、はみ出て広がるのを目安に、だいたい1か月に1回くらいの頻度で行いましょう。
歯間ブラシを使う
歯間ブラシは、歯と歯の隙間が比較的大きい場合に使います。歯ブラシでは行き届かない部分の汚れを除去できます。
歯周病予防には、歯ブラシと併用して歯間ブラシを用意しましょう。歯間ブラシのサイズは、SSSサイズ〜Lサイズまであり、歯の隙間の大きさに合わせて選ぶことができます。
歯間ブラシのサイズは、合わないものを使うと歯ぐきを傷つけてしまうため注意が必要です。ナイロン仕様で毛先が硬いので力加減を調整して使いましょう。
歯間ブラシの交換は、10回程度が目安です。
バス法で磨く
歯ブラシの毛先を歯や歯ぐきに対して45度の角度に当ててブラッシングする方法です。
歯周病は歯ぐきの状態が弱くなっているため、毛先を斜めに当てることで負担を減らすことができます。
歯肉のマッサージ効果もあり、歯ぐきが出血したり腫れている場合も利用できる方法です。磨き方は、小刻みに軽く歯1本づつ丁寧にブラッシングします。
歯の表面や噛み合わせる部分は、「スクラビング法」も併用して歯磨きをしましょう。スクラビング法は、歯ブラシを歯に対して直角に当てて磨く方法です。
薬用歯磨き粉・洗口液を使う
歯磨き粉は、化粧品または薬用(医薬部外品)に分類されます。化粧品の歯磨き粉は、歯を白くしてプラーク除去、虫歯予防、口臭予防などが目的です。発泡剤、研磨剤、香味材、保存料などが含まれています。
薬用歯磨き粉は、フッ素など薬用成分が配合されていており、虫歯予防、口臭予防、歯槽膿漏や歯肉炎の予防、知覚過敏をおさえることを目的とする歯磨き粉です。
フッ素入りの薬用歯磨き粉のメリットは、歯を丈夫にして酸の侵食から歯を守ることです。また、唾液中のリン酸カルシウムと結合して再石灰化を促進します。
注意したいのは薬用歯磨き粉の使う量です。年齢に合った使用量で使いすぎに気を付けましょう。
洗口液は、口内環境を整える効果と口臭予防やプラークコントロールに役立つアイテムです。歯周病を治すことはできませんが、歯磨きと併用して使うと予防策として役立ちます。
歯磨きをした後に最後に洗口液ですすぐと、口腔内ケアになります。
歯周病を放置することで発症リスクが高まる疾病
歯周病は、症状をそのまま放置しておくと身体の免疫力が低下して、からだ全身の衰えに繋がり、さまざま疾患の原因になります。
歯周病菌は、増殖すると血管を通して全身に広がって動脈硬化、狭心症、脳梗塞、心筋梗塞
誤嚥性肺炎、糖尿病、認知症、早産・低体重児出産、骨粗鬆症などの疾患のリスクが高くなります。
歯周病菌は、歯肉から簡単に血管へと侵入します。血管に入った細菌は体内で死滅しますが、歯周病菌の毒素はそのまま残骸となり血糖値に影響を及ぼします。
軽い歯ぐきの腫れや出血だからと言って、症状を軽く考えずに早めに治療を行うことが大切です。全身疾患の発症や歯周病予防には、生活習慣を見直して、歯科医による正しい口腔内ケアを受けるようにしましょう。
歯周病の治療
歯周病の治療は、大きく分けて基本治療と外科治療があります。基本治療は、歯周病の進行レベルに関わらず行います。外科治療は、歯周菌が歯肉の奥まで侵入した場合は、外科治療を行います。
基本治療
歯周病の基本治療は、プラーク(歯垢)の除去、歯石の除去、歯周病菌によって汚染されたセメント質の除去、嚙み合わせの調整です。
治療法は、プラークや歯石を機械で除去するスケーリングと、歯石でザラザラした歯の表面を除去するルートプレーニングを行います。
また、歯周病菌によって動いている歯を削ったりして噛み合わせの調整をします。基本治療によって改善された歯周ポケットは、定期検診を行って回復の様子を診ていきます。
外科治療
歯周病の症状が進行して歯周ポケットの溝が深くなってしまった場合は、外科治療を行って溝の深さを調整します。部分的に失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行います。
また、歯ぐきの根元まで切開をし、細菌や歯石など歯周病の原因となる汚れを除去する手術を行います。
歯周病によって歯ぐきが後退してしまった場合は、自分の他の部分から切り取った歯肉を移植する歯肉移植手術を行います。
外科治療は、歯周組織が破壊されて、プラークや歯石の除去だけでは回復が期待できない場合に、失われた歯肉や骨を再生する治療をします。
歯周病につながる習慣
歯周病になりやすい生活習慣について確認しましょう。以下の内容で自身の習慣で心当たりがあることは早めに改善をして歯の健康に繋げましょう。
・毎日の歯磨きが不十分だとプラークが蓄積して口内環境を悪化させます。歯周病予防の基本は、正しい歯磨きの習慣をつけることです。
・糖分の多い食生活は、歯を酸性化するため歯周病や虫歯になりやすくなります。甘いものを食べる習慣や、砂糖入りの飲み物を好む方は、糖分控え目の食生活に切り替えることが大切です。
・ストレスが溜まっていたり、睡眠不足になると免疫力が低下して口の中の細菌が繁殖しやすくなります。気分転換を心がけて良質な睡眠ができるように、規則正しい睡眠リズムが大事です。
・運動不足は、さまざまな身体機能に影響し、血行が悪くなるので歯肉の老化にも繋がります。歯肉が弱まると歯周病になりやすくなります。毎日適度な運動を実践することで歯の健康を維持できるようになり、歯周病の回復も期待できます。
・喫煙は、血管が収縮して歯ぐきの血行が悪くなります。ヤニによる歯の黄ばみや口臭もきつくなります。タバコは、歯周病以外にも、身体の健康に悪影響を及ぼします。
タバコを吸わない人の方が、歯周病の回復力も良いので、タバコを吸っている人は、喫煙習慣を変えることが大事です。
歯周病を予防するために定期的な検査を受けましょう
歯周病予防で自分でできることは、正しい歯磨きと歯ぐきの状態に良い歯ブラシや歯磨き粉を使うことです。歯磨き粉は、歯ぐきの腫れや赤みなど症状に適した成分のものを選びましょう。
歯の健康は、毎日のセルフケアが大事ですが、定期的に歯科医院で歯の健康状態をチェックしてもらうと、歯周病や虫歯予防になります。
毎日使う歯磨きアイテムや歯の磨き方についてもアドバイスを受けることができます。
新宿の歯医者「新宿ルーブル歯科・矯正歯科」では、無料でカウンセリングを行っています。歯に悩みがあり歯科受診を検討している方は、お気軽にご相談ください。
健康に良い歯磨き粉を使って歯ぐきの改善をしましょう
歯ぐきのトラブルは、早めに処置した方が回復が早くなります。歯ぐきが弱まってきたら、歯科医の診察を受けて適切な治療を行いましょう。加えて、毎日のセルフケアは、良い歯磨き粉や歯ブラシ、歯間ブラシなど必要なものを用意して、食後や就寝前に歯磨きをするようにしていきましょう。
歯のお悩みなら新宿ルーブル歯科・矯正歯科へ
新宿駅東口徒歩1分の新宿ルーブル歯科・矯正歯科では、カウンセリングをして患者様のお悩みの内容を伺い、そのお悩みを解消する治療を行っております。
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他にも、機能面と審美面を両立した審美治療やインプラント治療もご提供しています。
ご予約・ご相談はこちらこの記事を監修した人
医療法人社団ルーブル 理事長
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。
【略歴】
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- しんファミリー歯科 矯正監修
- 大手審美歯科クリニック 代診勤務医
- 医療法人清翔会 エスカ歯科・矯正歯科 院長就任
- 渋谷ルーブル歯科・矯正歯科 独立開業
- 医療法人社団 ルーブル設立 理事長就任
- 新宿ルーブル歯科・矯正歯科 開業
【所属団体】
- インビザライン社公認 ダイヤモンドプロバイダー
- インビザライン(マウスピース矯正)認定医
- インコグニート舌側矯正 認定医
- winシステム舌側矯正 認定医
- 日本矯正歯科学会 所属
- 日本成人矯正歯科学会 所属
- 日本顎咬合学会 所属
- 日本外傷歯学会 認定医
- 日本アンチエイジング歯科学会 所属
- 日本歯科審美学会 所属 他多数