ブログ

妊娠中に歯周病にかかると母子ともにリスクが高いって本当?

妊娠中

妊娠によって体質や食生活などのリズムが変化することで、口内環境に不安を感じる妊婦さんもいるのではないでしょうか。

本記事では、妊娠中に歯周病にかかるリスクや、治療費と治療方法、そして歯周病にならないための予防方法についてご紹介していきます。

歯周病とは

歯周病とは

歯周病とは、歯とその周囲の組織である歯肉や歯槽骨(しそうこつ)に炎症が生じる病気です。

歯周病が発症する原因は歯垢です。口内環境のケアが不十分だと歯周ポケットに歯垢が溜まり、やがて歯石になります。歯垢や歯石を放置していると歯周ポケットが深くなり、歯周病が進行していきます。

歯周病が進行していると、歯肉が腫れたり、出血したりします。さらに症状が悪化すると、歯槽骨や歯根が破壊され、歯がゆるんだり抜けたりするおそれがあります。

歯周病は、早期発見と適切な治療を行うことで、歯周病の進行を防止できます。歯ブラシやフロスの適切な使い方や歯科定期検診、生活習慣の見直しなどの予防策が重要です。

【関連記事】歯石ができてしまった場合の正しい対処法

妊娠中に歯周病にかかることによるリスクは?

妊娠時のリスク

妊娠中の歯周病では、炎症物質であるプロスタグランジンの増加により、早産のリスクが高まることが研究で示されています。

実際に、一部の研究では、妊娠中の歯周病による早産リスクは通常の妊娠よりも約7倍高いとされています。

さらに、妊娠中の歯周病は体内の炎症マーカーの上昇を引き起こすため、胎児に悪影響を及ぼすおそれも懸念されています。

妊娠中は口腔衛生の管理を重視し、歯周病の予防や早期治療を行うことが大切です。

定期的な歯科検診や適切な歯磨き、フロスの使用などがおすすめです。

歯周病の治療にかかる費用

費用

歯周病の治療にかかる費用は、保険適用での場合、一般的には患者の負担割合である3割の負担があります。

この場合、治療費の目安は30,000円から10万円程度です。

ただし、自費診療の場合は、治療内容や症例の重度によって異なりますが、目安としては20万円程度が考えられます。

歯周病治療は通常、治療期間が長い傾向があり、ゴールが明確ではないため、自費診療での治療費の上限を具体的に示すことは難しいのが現実です。

個別の症例によって費用は異なるため、歯科医師と相談したうえで治療に臨んでください。

歯周病の治療方法

歯周病ケア

歯周病の治療方法は、症状の程度によって異なります。

歯肉炎や軽い歯周病の場合は、汚れである歯垢や歯石を取り除くプロフェッショナル・ケアを主体とした「歯周基本治療」だけでも改善することがあります。

この治療では、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除き、歯周環境を改善します。

しかし、歯肉の奥に溜まった汚れが歯周基本治療だけでは取り除けない場合、いわばより進行した歯周病の症例では「歯周外科治療」が必要になることもあるでしょう。

この治療では、歯肉の奥に溜まった汚れや炎症を根本的に取り除くために、歯茎を切開して手術を行います。

歯周外科治療はより重症なケースに対して行われることがありますが、正確な治療方法は歯科医師との相談が必要です。

妊娠中の歯周病治療で気をつけること

妊娠中の歯周病治療では、いくつかの注意点があります。

まず、無理をせず自身の体調に配慮することが重要です。

妊娠中はホルモンバランスが変化し、歯肉の状態も影響を受けやすくなるため、むやみに歯周病治療を進めることは避けるべきでしょう。

また、クリニックと相談しながら治療の進め方を決めることも大切です。

歯科医師は妊娠中の患者に適切な治療方法や薬剤の使用を提案してくれます。

一般的には、安全な方法で歯石の除去や歯肉の状態管理を行うことが可能ですが、妊娠の進行や個々の状況によって異なることもあります。

そのため、クリニックとの相談を通じて、自身と赤ちゃんの健康を最優先に考えた治療プランを作りましょう。

歯周病に罹患しないために【予防方法】

予防方法

最後に、歯周病に罹患しないための予防方法を紹介して終わります。

ここでは、以下の4つを見ていきましょう。

  • ガムを噛む
  • 糖質を少なくする
  • 野菜を摂る
  • 正しいブラッシングを心がける

それぞれ解説していきます。

ガムを噛む

ガムを噛むことは、歯周病の予防に効果的な方法のひとつです。

ガムを噛むと唾液の分泌が増え、口腔内の汚れや酸性物質を中和する働きがあります。

また、噛むことで歯ぐきの血行が促進され、歯ぐきの健康を維持する助けになります。

ただし、ガムは砂糖を含むものではなく、キシリトール入りの無糖ガムを選ぶようにしましょう。

一定量噛むことで、食後の口腔清掃や歯周環境の改善に寄与します。

しかし、ガムの噛みすぎは顎関節の負担を増やす恐れがあるため、適度に使用するようにしましょう。

糖質を少なくする

歯周病の予防には、糖質を少なくすることも重要です。

糖質は歯垢の主成分であり、歯周病の原因となる細菌のエネルギー源でもあります。

食事で摂取する砂糖や炭水化物の量を減らすことで、歯垢の増殖を抑えることができるでしょう。

穀物や果物、砂糖入りの飲料やお菓子などを控え、食事のバランスを意識することが大切です。

また、食後にはよく歯を磨くことや、定期的な歯科検診で専門家の助言を受けることもおすすめ。

日常の食生活に気を配りながら、歯周病の予防を行いましょう。

野菜を摂る

野菜を摂ることは歯周病の予防に効果的です。

野菜には歯を守るために必要な栄養素や食物繊維が豊富に含まれています。

また、野菜を食べることで咀嚼する回数が増え、唾液の分泌が促進されるでしょう。

唾液には口腔内の酸性を中和する効果があり、歯のエナメル質を守る働きもあります。

さらに、野菜の食べ応えや食物繊維が歯ぐきのマッサージ効果を与え、血行を改善する助けにもなります。

毎日の食事に野菜を取り入れて、口腔の健康を維持しましょう。

正しいブラッシングを心がける

歯周病の予防には、正しいブラッシングが欠かせません。

まず、適切な歯ブラシを選び、毎日2回、朝晩の歯磨きを行いましょう。

歯ブラシを45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当て、ゆっくりと優しく磨くことが大切です。

歯ブラシの動かし方は縦や横ではなく、歯と歯ぐきの境目に向かって短い振動を使って磨くのが良いとされています。

また、舌や口腔内の汚れも磨き落とすため、歯磨き後には舌ブラシやうがいを行いましょう。

正しいブラッシングを心がけて、歯周病予防を行いましょう。

妊娠中に歯周病にかかると早産のリスクが高まる

早産

今回は、妊婦の歯周病リスクについて解説してきました。

結論として、歯周病は妊婦にとって早産のリスクを高めるおそれがあります。

歯周病による口腔内の炎症や細菌感染が全身に広がり、炎症反応が引き起こされることで産婦人科的な合併症が生じる恐れがあるのです。

また、炎症が母体の体全体に影響を及ぼし、子宮収縮を引き起こすこともあります。

妊娠中の女性は歯周病の予防と早期治療に注意し、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行いましょう。

新宿の歯医者「新宿ルーブル歯科・矯正歯科」では、無料でカウンセリングを行っています。歯に悩みがあり歯科受診を検討している方は、お気軽にご相談ください。

ご予約・ご相談はこちら

この記事を監修した人

監修者の写真

医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

【略歴】





医療法人社団ルーブル
新宿ルーブル歯科・矯正歯科

〒160-0022
東京都新宿区新宿3-25-1ヒューリック新宿ビル8階
Tel:03-6380-6611

診療時間 平日 10:00~13:00/
15:00~19:30
土日 10:00~13:00/
14:30~18:00
休診日 月・木・祝(木日は隔週診療)