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矯正前に親知らずは抜歯すべき?タイミングや抜歯不要なケースも紹介

矯正治療は顎のスペースを利用して歯を移動させ、1本のきれいな歯列に並べていく治療です。

顎全体が小さく、スペースが足りないといわれている現代の日本人の場合、親知らずなどの不要な歯を抜歯し、そこにスペースを作る処置もとられています。しかし、スペースが足りないからといって必ず抜歯が必要なのでしょうか?

この記事では、矯正治療前に親知らずの抜歯が必要ではないケースと、反対に抜歯が必要になる4つのケースをそれぞれ紹介します。矯正治療を受ける予定がある方や、抜歯が必要かどうかで悩んでいる方はぜひご覧ください。

矯正治療前に親知らず抜歯が必要ではないケース

矯正治療の前に、親知らず抜歯が必要ではないケースは3つに分けられます。

【親知らずの抜歯が不要なケース】

  • ・他の歯を抜く場合
  • ・完全な埋伏歯になっている
  • ・顎のスペースが十分ある

親知らず以外の歯を抜くので、親知らずをわざわざ抜かなくても良いケースです。ただし、不要であれば先に親知らずを抜歯する可能性もあるため、医師と相談しながら抜歯する歯を決めると良いでしょう。

親知らずが一切生えていない「埋伏歯」の場合、歯茎の中に埋まった状態で横倒しや斜め倒しになっています。

逆さまに近い「逆位」や、真横の「水平位」のように角度によって名称が異なりますが、歯茎に埋もれて生えてくる見込みがなければ、無理に引っ張り出す必要はないと判断される可能性があります。

しかし親知らずを抜いて大きなスペースが確保できる可能性がある場合や、親知らずのせいでポケットが深くなっており歯周病などのおそれが高いときには、抜歯が検討されるでしょう。

顎のスペースが十分ある方は、無理に歯を抜かなくても歯を移動させられます。精密検査・画像診断と医師の判断にもよりますが、歯を動かすスペースがあれば抜歯は不要です。

矯正治療前に親知らずの抜歯が必要なケース

矯正治療の前に親知らずを抜歯しなければならないときというのは、どのような状態が考えられるのでしょうか。4つのケースについてみていきましょう。

ケース①歯並びに影響を及ぼしている

はじめに、親知らずの存在が歯並びに影響しているケースです。

たとえば顎のサイズが小さな人は歯がきれいに整列せず、乱杭歯(叢生)と呼ばれる不規則な並びになる場合があります。この歯並びを整えたいとき、顎のサイズ自体は大きくできないため、スペース作りのために親知らずを取り除く必要が出てきます。

また、親知らずが真横に寝た状態であると、横に押す力が働くため歯並びが崩れやすくなります。前歯が前に押し出されたり重なり合って生えていたりする方は、親知らずの横向きの力がなくなるだけで歯並びが整えやすくなるでしょう。

【関連記事】親知らずを抜くベストなタイミングはいつ?抜いたほうがいい人の特徴も紹介

ケース②前歯のスペースが不足している

前歯が重なり合っている・突出している・ほとんどすき間がなく隣り合っているようなケースでは、スペースが不足しているため他の歯を抜歯することになります。その際、使用していない親知らずが抜歯の選択肢になります。

他の大臼歯と同じかそれ以上に機能していれば無理に抜く必要はありませんが、前歯のスペースが圧迫されているということは歯列全体に余裕がない可能性が高いため、どこかにスペースを作らなければなりません。

ケース③今後矯正に影響を与える可能性がある

矯正治療の妨げになるようであれば、親知らずを残しておくメリットがないため抜歯が選択肢に入ってきます。

患者さんによっては、親知らずの抜歯前に他の歯を抜いてしまい、スペースを作ったために親知らずが生えやすくなり、矯正治療が始まってから親知らずが生えてきてしまう場合もあります。

ケース④虫歯や腫れなどの症状がみられる

親知らずに虫歯・歯周病・腫れ・その他のトラブルがみられるときは、治療よりも抜歯をしたほうが他の大臼歯に影響しにくいと判断されるでしょう。

顎のスペースが小さい方は親知らずが奥まってしまい、ケアがしにくい点がデメリットです。顎のスペースが小さくない方でも、歯周ポケットまでケアがしにくいと歯周病や腫れが出やすくなります。

すでに親知らず自身にトラブルがみられ、隣の歯にもトラブルが及ぶ可能性があれば、抜歯が選択肢に入ってくるでしょう。

【関連記事】親知らずが痛いのはなぜ?対処法と応急処置の方法を紹介

矯正中に親知らずが生えた際の対応方法

矯正中に親知らずが生えたときは、矯正器具を調整・交換するタイミングをみて一度矯正治療をストップし、親知らずの抜歯が行われます。ただし、親知らずを抜かなくても治療が進められる場合は、そのまま矯正治療を優先させます。

顎にスペースが十分にない方の場合は親知らずを抜歯することで大臼歯1本分のスペースが確保できるので、早めに抜いておいたほうが後から治療を進めやすくなるでしょう。

親知らずが自分の力で生えてきているため、器具を使って引っ張り出す必要がなく、抜きやすいというメリットもあります。

矯正治療で親知らずを抜歯するタイミング

矯正治療で親知らずを抜歯するのは、基本的に矯正治療の前になります。親知らずを抜いておくだけでも広いスペースが生まれるので、歯を移動しやすくなるのです。

ただし、親知らずを第二大臼歯(親知らずの隣の歯)の位置に移動させる治療では、親知らずを抜歯せず第二大臼歯を抜歯します。治療の目的や方向性によって、親知らずを残存させるかどうかが変わってくる点に注意が必要です。

親知らず抜歯後の矯正にかかる期間の目安

親知らず抜歯後の矯正は、前歯など部分矯正では数ヶ月〜1年半程度、全顎矯正では2〜3年かかります。その後、保定期間と呼ばれる歯を正しい位置のままで固定させる期間を設けます。

保定期間は、矯正治療にかかった期間と同程度の期間をかけます。矯正に2年かかったときは保定期間も2年かけて元に戻らないように固定を行います。

歯の状態や治療の方向性はよく話し合うことが大切

今回は、矯正治療で抜歯が必要なのか、必要になるケースと必要のないケースについて紹介しました。

大切な歯は1本でも多く残したいところですが、矯正治療を受ける方にとっては親知らずが抜歯の第一選択肢に入ります。歯並びが乱れた結果虫歯や歯周病が増える、あるいは審美的な点で見た目の印象が悪くなってしまっていれば、親知らずを残しておくメリットは少ないためです。

反対に、親知らずを残していても問題のないケースもあります。矯正治療にあたりどのような治療がベストかは一人ひとりで異なりますので、ぜひ信頼のできるクリニックにご相談ください。

新宿の歯医者「新宿ルーブル歯科・矯正歯科」では、無料でカウンセリングを行っています。歯に悩みがあり歯科受診を検討している方は、お気軽にご相談ください。
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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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