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歯茎から出血する13の原因と今すぐにできる予防&対処法について

「歯茎から血がでたけどどうして?」「原因と対処法を教えてほしい」などと考えていませんか。歯茎から血がでるときに考えられる原因はさまざまです。重大な病気が背後に隠れていることもあります。ここでは、歯茎から血がでる7つの原因と血が出たときの対処法、普段から心がけたい予防法を紹介しています。以下の情報を参考にすれば、落ち着いて行動できるようになるはずです。歯茎からの出血でお困りの方は参考にしてください。

歯茎から出血する場合に考えられる原因

歯茎から出血しているときは以下の原因が考えられます。

原因①歯肉炎

身近な原因として、歯肉炎があげられます。歯肉炎は歯周病の初期段階で、歯垢や歯石により引き起こされる炎症が歯茎にとどまっている状態を指します。歯茎が赤くなる、歯磨きで血がでる、歯間部分の歯茎が腫れるなどの症状が現れます。基本的に痛みはないため、気づかないケースや気づいても放置されるケースが少なくありません。放置すると症状が進行するため注意が必要です。

原因②歯周炎

歯周炎も身近な原因のひとつとしてあげられます。歯周炎は歯肉炎が進行した状態です。具体的には、炎症が歯根膜や歯槽骨まで拡大している状態を指します。歯茎が赤紫色になる、歯磨きで血や膿がでる、歯茎が下がって歯が長く見えるなどの症状が現れます。進行速度は基本的に緩やかですが、放っておくと歯を失う原因になってしまうため十分な注意が必要です。

原因③膿瘍

膿瘍も出血の原因として考えられます。膿瘍は、組織に膿汁が溜まった袋ができた状態です。膿汁の中には、白血球の死骸、細菌の死骸、滲出液などが含まれています。主な原因は、虫歯や歯周病などで引き起こされた炎症です。膿瘍はできる場所で名称が異なります。一例としてあげられるのが、歯の周辺にできる歯周膿瘍です。基本的な原因は歯周ポケットに潜む細菌ですが、魚の骨などが歯茎に刺さって炎症が起こり引き起こされることもあります。

原因④歯根膜炎

名称の通り歯根膜で起きた炎症を指します。歯根膜は、歯根と歯槽骨の間でクッションのような役割を果たす組織です。主な原因は、虫歯で歯根の先から歯根膜に細菌が感染すること、歯に強い負荷がかかること、歯周病が進行して歯根膜まで炎症が及ぶことです。歯根膜炎を発症すると、歯が浮いているように感じる、歯を噛み合わせると痛い、歯茎が腫れるなどの症状が現れます。出血以外の症状にも注意が必要です。

原因⑤歯周病

歯肉炎と歯周炎を合わせて歯周病といいます。したがって、歯周病も歯茎から血がでる原因になります。歯周病の原因は、歯周病原菌と呼ばれる細菌です。お口のお手入れが行き届いていないと、歯周病原菌を含む歯垢が歯と歯茎の境目で増殖します。すると、細菌が作り出す毒素で歯茎から出血しやすくなります。さらに進行すると、歯周ポケット(歯と歯茎間にできた隙間)が深くなり、歯を支える歯槽骨が溶かされます。出血は歯周病を知らせる重要なサインかもしれません。

【関連記事】歯周病が手遅れになったときの症状とは?セルフケアで予防はできる?

原因⑥全身疾患

全身疾患でも歯茎から出血することがあります。一例としてあげられるのが急性白血病です。血液を作る機能が低下して血小板が減少することにより歯茎から出血するなどの症状が現れます。このほかでは、多発性骨髄腫、再生不良性貧血なども考えられます。重大な病気が背後に隠れていることもあるため軽視は禁物です。また、血液をサラサラにする抗凝固剤の影響で歯茎から出血しやすくなる(血が止まりにくくなる)こともあります。

歯茎からの出血で考えられる外的要因

歯茎から出血している場合、外的要因があることもあります。先に解説した原因に当てはまらないようであれば、もしかすると次のような外的要因が原因となっているかもしれません。

外的要因1:歯ぎしりや食いしばり

眠っているときの歯ぎしりや食いしばりのクセがある人は、歯茎にかかる強い力により出血していることがあります。歯ぎしりをしているとき歯茎にかかる圧力は、100kg以上だとされています。

毎晩100kg以上の圧力がかかっていれば、歯茎へのダメージが大きくなり、出血することも不思議ではないでしょう。眠っているときの歯ぎしりや食いしばりは、ご自身で気づかないことも多いものです。歯科医院にて治療を受けたほうが良いと思われるケースだと言えます。

外的要因2:力強いブラッシング

口腔内をケアするためのブラッシングが、歯茎からの出血の原因となることもあります。ブラッシングはケアに欠かせないものですが、力強くしすぎるとダメージを与える原因ともなります。

ゴシゴシと力を入れてブラッシングするクセのある方は、歯茎が傷ついてしまっているのかもしれません。ブラッシングはあくまでも優しく、丁寧に行うことがコツです。

ただし正しい磨き方をマスターするのは意外と難しいため、歯科医院でブラッシングの指導を受けると出血がおさまるかもしれません。

外的要因3:抗凝固剤や降圧剤の服用

抗凝固剤や降圧剤など、服薬の影響で血が出ることもあります。

抗凝固剤とは血液の流れを良くするために血液の凝固を阻止する薬なので、出血が止まりにくくなることも。また降圧剤は歯肉増殖症を引き起こすことがあるとされています[2]。もし高血圧や狭心症で薬を服用していて、歯茎から出血したなら歯肉増殖症の可能性もあるでしょう。

外的要因4:ドライマウス

口腔内の唾液量が減るドライマウスでも、歯茎からの出血が認められることが少なくありません。なぜなら唾液には口腔内を清潔に保つための自浄作用があり、ドライマウスでは口腔内の唾液量が少なくなるためです。

唾液の量が少なくなると食べものや歯垢が口の中に残りやすくなります。そして細菌が増殖しやすい状態になるため、歯茎の炎症が起こりやすくなるため出血しやすくなるのです。

ドライマウスはストレスや加齢、喫煙、生活習慣の乱れで起きることが多く、習慣の改善が必要となるでしょう。

【関連記事】ドライマウスとはどんなトラブル?原因や主な症状・予防方法を紹介

外的要因5:ホルモンバランスの乱れ

女性で歯茎からの出血に悩んでいるなら、もしかするとホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。たとえば妊娠している、更年期に入ったなど、ホルモンバランスが乱れる状況ではないでしょうか?ホルモンバランスが乱れると抵抗力が低くなり、歯茎から出血しやすくなります。

ホルモンバランスの変化により歯茎への血の流れが良くなることもあり、出血が起こりやすい傾向です。女性の場合はご自身の体調も考慮して原因を探る必要があるでしょう。

外的要因6:生活習慣の乱れ

生活習慣が乱れることで、歯茎から出血することもあります。たとえば次のようなことに心当たりはありませんか?

【生活習慣の乱れの一例】

  • ストレスが溜まっている
  • 生活リズムが不規則になっている
  • 疲れが溜まっている
  • 睡眠不足になっている

生活習慣が乱れると免疫力が低下するため、わずかな外的刺激でも歯茎から出血することがあります。免疫力を正常に保つには、健康的で規則正しい生活を送ることが大切です。生活習慣の乱れがないよう、日常を整えましょう。

外的要因7:喫煙

最後に、喫煙も外的要因のひとつとなり得ます。タバコに含まれるニコチンやタールは、血管を収縮させる作用を持つためです。

血管収縮により血流が低下すれば、反対に出血しにくくなる印象があるかもしれません。しかし血流が悪くなると歯茎のうっ血が起こり、腫れや炎症から出血が起こりやすくなります。また歯茎の毛細血管から出血も起こりやすくなる傾向です。

歯茎から出血したときの対処法

もし歯茎からの出血が見られたなら、適切な対処を行うことが重要です。

対処法1:歯の周囲に溜まった汚れを取り除く

対処法としてまずは、歯の周囲に溜まった汚れを取り除いてください。ただし硬い歯ブラシでゴシゴシとブラッシングをすると、出血を助長させてしまうことがあります。あくまでも軟らかい歯ブラシで優しく磨くことを心がけてください。
ブラッシングが終わったら、フロスで歯ブラシが届かないところのケアをしましょう。ケアの最中に出血が見られるかもしれません。しかし出ている血をすべて出しきった法が治りの早いこともあります。
ケアをして汚れを掻き出すとともに、余分な血液も出し切ってしまってください。血を出し切るつもりでお手入れをすることで、治りが早くなるうえ、うっ血も改善しやすくなります。

対処法2:歯医者で歯のクリーニングをする

歯医者でクリーニングをすることも効果的な対処法です。歯垢はご自身のケアで落とせますが、歯石はセルフケアでは落とせません。
そのため歯医者でクリーニングをして、頑固な歯石を落としてもらうことをおすすめします。ご自身でのケアに加えて、歯のクリーニングを行えば、おおむね歯茎からの出血はおさまるはずです。出血を確認したときは、できるだけ早く歯科医院で相談しましょう。

歯茎から出血を防ぐためにできること

歯茎からの出血は次の点を意識することで防ぎやすくなります。

①歯ブラシ・フロスを正しく使う

基本のセルフケアは歯ブラシとデンタルフロスを正しく使用することです。歯と歯茎の間に付着した細菌は歯茎へ侵入しようとします。これを防ぐため、歯茎に血液が集まり炎症が起こります。すると、わずかな刺激でも出血しやすくなってしまうのです。したがって、正しい歯ブラシとデンタルフロスで磨き残しをなくすことが大切です。参考に、歯磨きとデンタルフロスのポイントを紹介します。

【歯磨きのポイント】

  • 歯と歯の間、歯と歯茎の境目に歯ブラシをあてる
  • 優しい力加減で小刻みに歯ブラシを動かす
  • 磨き残しやすい箇所を理解してしっかり磨く

基本のブラッシングに加えて、フロスを正しく使うことも大切です。
歯茎への出血を防ぐために効果的なデンタルフロスの使い方について見ていきましょう。

【デンタルフロスのポイント】

  • 歯と歯の隙間にあててゆっくりと差し込む
  • 左右ではなく上下に細かく動かす
  • ひとつひとつの歯を丁寧に磨く

デンタルフロスは丁寧に、ゆっくりと、細かく動かすことがポイントです。歯の隙間を丁寧に磨くよう、ゆっくりと動かしてケアをしてください。

【関連記事】歯磨きは1日1回で大丈夫?歯磨きのタイミングや重要性も解説

②歯ブラシでやさしく磨く

デンタルフロスとともに、歯ブラシで優しくケアすることも重要です。デンタルフロスは歯垢を落とすために効果的ですが、やはりケアのメインとなるのは歯ブラシ。歯茎と歯の隙間に対して斜め45°となるように意識して、歯茎をマッサージするように細かく動かしてください。

歯と歯茎の間の歯垢を優しくかきだすようにすれば、歯茎からの出血にも効果を発揮してくれるはずです。ただしその際には、あくまでも優しく磨くことを心がけることがポイントです。

③自分に合った歯磨き粉を選択する

セルフケアで使用する道具を揃えることも大切です。例えば、歯磨き粉の中には、歯茎の腫れや炎症を抑える有効成分を含むものがあります。このような製品を選択すると、お口のトラブルを予防しやすくなるかもしれません。使用する歯ブラシにも注意が必要です。毛先が開いていると歯垢を効率よく落とせません。磨き残しが生じやすくなるため、出血しやすくなる可能性があります。歯ブラシは定期的に交換しましょう。

歯磨き粉はそれぞれ効能が違います。ご自身の症状に合った歯磨き粉を使えば、歯茎からの出血もおさまるでしょう。

④健康的な生活習慣を送る

生活習慣も歯茎からの出血に関わっています。例えば、タバコを吸うと血流が妨げられて歯茎に酸素を届けにくくなるため、歯周ポケットで細菌が繁殖しやすくなります。あるいは、栄養バランスの乱れやストレスで免疫力が低下して、歯周病のリスクが高まることも考えられるでしょう。歯茎からの出血を防ぎたい場合は、健康的な生活習慣を意識することも大切です。

⑤血を出しきる

歯茎から出血しているときは、余分な血を出し切ってしまいましょう。出血すると怖くなるかもしれません。しかし出血が見られるのは、炎症部分が破れてしまっているからです。

炎症は歯周病菌によって引き起こされます。血を出し切ることによって、炎症を引き起こしている歯周病菌も排出できるかもしれません。

炎症による出血は止めるよりも、出し切ってしまった方が治りの早くなることもあります。歯茎から出る血液は、思い切って出し切ってしまいましょう。

⑥アルコールを含む洗口剤を使用しない

歯茎から出血しているときは、アルコールを含む洗口剤を使わないようにしてください。

アルコールが含まれている洗口剤は使った後に爽快感がありますが、反面、口腔内への刺激が強いデメリットがあります。またアルコールは水分を蒸発させるため、口腔内が乾燥し、出血をうながしてしまうこともあるかもしれません。

もし歯茎からの出血が見られるときは、アルコールが含まれていないものを選んでください。かつ殺菌作用や口臭予防作用のあるものであれば理想的です。

⑦定期的に歯医者に通う

歯医者で定期的に検診を受けることでも、歯茎からの出血を予防しやすくなります。お口の状態に合わせた検査・ケア・指導などを受けられるからです。検診を受ける理想的な頻度は患者様により異なります。セルフケアを適切に行えている方の目安は3~6カ月に1回、一般的な方の目安は3カ月に1回、虫歯や歯周病のリスクが高い方の目安は1~2カ月に1回です。詳しくはかかりつけの歯医者で相談するとよいでしょう。

歯茎から血がでるときは歯医者を受診

ここでは、歯茎から血がでる理由とその対処法を解説しました。主な理由として歯周病、歯根膜炎、外的な要因などがあげられます。最も割合が高いのは歯周病です。歯周病が原因の場合は、丁寧に歯磨きをして歯垢などの汚れを取り除くことが大切です。出血がとまりやすくなるうえ出血の予防にもつながります。あわせて、歯医者で相談することも欠かせません。出血が気になる方は、歯医者をできるだけ早く受診しましょう。

新宿の歯医者「新宿ルーブル歯科・矯正歯科」では、無料でカウンセリングを行っています。歯に悩みがあり歯科受診を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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