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歯茎が腫れて痛いときに考えられる6つの原因と治療方法

ある日突然歯茎が腫れてしまい、痛みや熱が出たときは、歯周病をはじめとするいくつかの原因が考えられます。

お口の中には無数の細菌が生息していますから、歯と同じ程度に歯茎のケアも重要になります。トラブルを未然に防ぐためにも、こまめなブラッシングや歯間ブラシなどによるデンタルケアを続けることが大切です。

この記事では、歯茎が腫れて痛いときに考えられる6つの原因とそれぞれの治療法について紹介します。対処法についても取り上げていますので、歯茎のトラブルに備える際の参考にしてください。

歯茎が腫れて痛いときに考えられる原因と治療法

歯茎が腫れて痛いときに考えられる原因としては、歯周病や歯周炎が考えられます。それ以外にも親知らずの存在や虫歯が関わっている場合もあるため、それぞれの原因と治療法を確認していきましょう。

原因①歯周病

歯周病は歯茎の病気で、炎症を起こして腫れを引き起こします。通常、歯茎が腫れて痛いときは歯周病を疑い、腫れている部分を中心に歯茎の状態をチェックします。

歯周病は歯茎の周りを掃除しきれず、汚れが残っているときに発生します。歯周病菌はお口の中の汚れをエサとして増えていき、嫌気性の性質を持っているため歯茎の奥へ奥へと潜り込もうとして炎症を起こすのです。

治療法

歯周病は歯石と呼ばれる硬くこびりついた汚れの中に多く潜んでいます。まずは歯石をしっかりと除去し、お口の中をきれいにクリーニングしながら、歯周ポケットの状態をみていきます。

それでも改善しなければ外科的治療が推奨されることもありますが、歯がすでに大きく揺れ動くようになってしまった場合は抜歯が必要になります。

【関連記事】歯周病と虫歯の違い|押さえておきたいそれぞれの原因・症状・治療法

原因②根尖性歯周炎

根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)は、歯の根元のさらに先に炎症が起きて広がった状態です。

細菌の侵入を察知した免疫系が菌と戦い、死骸は膿となって歯の根元に溜まります。この症状は重度の虫歯にかかり、歯の歯髄(神経)にまで及んだときに、歯の根元まで進行して歯根の先端部で感染が広がって発生します。

治療法

根尖性歯周炎の治療は、すでに虫歯の症状が進行しており歯の神経までも侵されている状態のため、患部をきれいに洗浄しなければなりません。

感染根管治療と呼ばれる根の治療を中心に行い、痛みの状況もみながら歯の内部にできた空洞を塞ぐ治療も実施します。

原因③歯根破折

歯根破折とは、歯質の劣化や根管治療の影響などにより、歯茎の中で歯を支えている根元が割れてしまう状態です。ひび割れなどのすき間から菌が侵入・増殖することで炎症が発生します。

治療法

歯根破折では直接根の治療を行って歯根を接着し、歯を保存する方法(口腔内接着法)と、歯を抜歯してお口の外で歯を再度接着して再植する方法(口腔外接着法)を行います。破折の程度が深い場合は抜歯し、人工歯の装着を検討します。

原因④智歯周囲炎

智歯周囲炎は、智歯(親知らず)の存在によって隣の歯との間にすき間ができたり、汚れを掃除しきれない歯周ポケットができて炎症が進行したりする病気です。

治療法

歯周炎を抗生物質の服用などで治療しながら、炎症の原因になっている智歯を抜歯します。智歯がきれいに生えていなければ、一部を覆っている歯肉の切除や骨を削る手術も行われます。

原因⑤親知らず

親知らず自身が、生え方によっては歯茎に当たり痛みや腫れを引き起こす場合もあります。歯茎を押し上げるように生える、あるいは横向き(水平)や斜めに生えて歯周組織にぶつかり、炎症や腫れが発生している状態です。

治療法

炎症がひどい場合は、炎症を鎮めるために抗生物質の服用を優先して行います。その後、親知らず自身が腫れの原因になっているとして抜歯を行い、原因を取り除きます。

【関連記事】親知らずの周囲の歯ぐきが腫れる原因と4つの応急処置法

原因⑥虫歯

虫歯も歯茎の炎症を引き起こす場合があります。中程度以上に虫歯が進行すると、虫歯菌が歯の中に入り込んで炎症を起こし、それによって痛みや腫れが出る場合があります。

治療法

虫歯が原因であれば、虫歯の治療を優先的に行います。重度の虫歯は根の治療や、歯の根元に溜まった膿を取り除く治療が必要です。

歯茎が腫れて痛い時の対処法

歯茎が腫れて痛い時の対処法としては、患部を冷やす・口腔内を清潔に保つ・痛み止めを内服する・安静に過ごすといった方法が挙げられます。それぞれの方法や手順についてチェックしていきましょう。

対処法①患部を冷やす

歯茎が腫れている状態では患部が熱をもっているため、まずは冷やしたタオルなどを使って患部を冷やしましょう。氷や氷のうを包んだ布、冷却パックなども活用できます。

ただし、氷を直接噛んだり患部に冷たいものを塗りつけたりしないように注意が必要です。クリニックを受診するまでお口の中には刺激物を入れないように注意し、常に清潔に保ちましょう。

対処法②口腔内を清潔に保つ

お口の中は汚れを残さず、常に清潔に保つようにしてください。食べものを食べたあとはそのままにせず、必ず歯磨きを行って丁寧に汚れを掻き出してください。

腫れている歯茎には触らず、その周辺はきれいに汚れを落としましょう。歯間ブラシやデンタルフロスも活用しながら、細菌のエサとなる汚れを除去しましょう。

対処法③痛み止めを内服する

炎症が持続しているあいだは痛みも伴うため、痛み止めを内服しましょう。体質や年齢に合う薬であれば、市販の鎮痛剤も使用できます。

痛み止めは決められた用法・用量を守ることが大切です。痛いからといって規定の量を超えて服用しないように注意し、それでも我慢できない痛みは夜間救急歯科などの専門医を受診してください。

対処法④安静に過ごす

患部が腫れた状態のときは、血流を促す激しい運動・入浴・アルコールの摂取は控えてください。大量の化学物質が含まれるタバコの喫煙も避けましょう。

お口の中を清潔にした後は、患部を動かしたり触ったりせずに痛み止めと冷却を併用しながら安静に過ごしてください。

歯周病予防にはこまめなケアが必要

今回は、歯茎が腫れて痛いときに考えられる6つの原因と治療方法について紹介しました。

歯茎は虫歯のように徐々に溶かされていく組織ではありませんが、歯周病菌が中心となって腫れや痛みを引き起こします。虫歯が進行してくると、虫歯によって歯茎の腫れが出てくるおそれもあるため、普段から歯の痛みには敏感になっておく必要があります。

炎症をそのままにしていると骨が溶けたり、歯が動揺して使えなくなったりする場合もあるため、かかりつけのクリニックで定期的にチェックを行い、自宅でのケアでも歯周病を予防しましょう。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

【略歴】





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