虫歯

歯の痛みの原因は?虫歯や歯周病以外のケースも紹介

歯の痛みを感じるおもな原因は、虫歯と歯周病とされています。

しかし、虫歯以外の歯科疾患や、歯以外に原因がある「非歯原性歯痛」などのケースもあります。

当記事では、歯の痛みを感じる16個の原因について解説します。

虫歯ではないのに歯が痛い「非歯原性歯痛」についてもまとめているので、原因が気になる方はぜひ参考にしてください。

歯の痛みの原因

まずは、歯科疾患が原因の歯の痛みについて解説します。

  • 虫歯
  • 歯周病
  • 知覚過敏
  • 親知らず
  • 根尖性歯周炎
  • 歯根破折
  • かみあわせ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

虫歯

虫歯は、痛みのもっとも一般的な原因です。歯のエナメル質が破壊され、内部の象牙質が露出すると、感染が進行し痛みが発生します。

食後の糖質が口内の細菌によって酸に変えられ、これが歯のエナメル質を徐々に侵食します。最終的には内部の象牙質に到達し、痛みや感染を引き起こすのです。定期的な検診と、適切な口内ケアで予防することが大切です。

歯周病

歯周病は、歯ぐきや歯槽骨などの組織が破壊され、炎症を起こす炎症性疾患の総称です。

歯ぐきのみに炎症が起こっている「歯肉炎」と、歯槽骨まで炎症が進んでいる「歯周炎」に大別され、進行具合によって呼び名が変わります。なお、歯周病のおもな原因は、磨き残しとされています。

【関連記事】歯周病が手遅れになったときの症状とは?セルフケアで予防はできる?

知覚過敏

知覚過敏は、歯の表面のエナメル質の内部にある象牙質が露出し、外部からの刺激に敏感になっている状態です。熱いものや冷たいものなど、温度変化による刺激を受けた際に痛みを感じます。

加齢によって歯ぐきが下がることで、知覚過敏となるケースが多いようです。

親知らず

親知らずは歯ブラシでは届きにくい場所に生えるため、磨き残しが起こりやすい歯です。部分的に埋まっているケースも多く、虫歯になりやすい特徴があります。

奥歯の痛みの原因の多くは、親知らずにあると考えられます。また、親知らず周辺に起こる歯肉・歯周組織の炎症のことを「智歯周囲炎」と呼びます。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎は、虫歯の感染が歯の内部の神経(歯髄)まで進み、歯根まで炎症が生じた状態です。汚染された歯髄から根っこの先(根尖)まで膿が溜まり、痛みを生じます。

慢性化していることに気付かず、症状が進んでしまうケースもあるため、早めの治療が推奨されます。

歯根破折

歯根破折は、歯ぐきに隠れている歯の部分(歯根)に、ひびや割れが生じることです。歯根破折を起こした歯は、細菌が侵入しやすく、さまざまな症状をもたらす原因となります。

虫歯や歯周病を放置しているとなりやすいため、早めの治療を心がけましょう。

かみあわせ

かみあわせが悪いと特定の歯に過剰な負荷がかかり、痛みを引き起こす場合があります。歯の揺れや歯ぐきの炎症によって引き起こされる症状を、咬合性外傷と呼びます。

かみあわせを改善するには、歯科矯正で歯並びを直したり、歯の高さを調節する治療を施したりする方法などがあげられるでしょう。

非歯原性歯痛

痛みの原因が歯や歯周組織以外にある、非歯原性歯痛について9つ解説します。

  • 関連痛
  • 筋・筋膜性歯痛
  • 神経障害性歯痛
  • 神経血管性歯痛
  • 上顎洞性歯痛
  • 心臓性歯痛
  • 気圧性歯痛
  • 精神疾患または心理社会的要因による歯痛
  • 突発性歯痛

虫歯ではないのに歯が痛いといった場合は、非歯原性歯痛の可能性を考慮しましょう。

関連痛

歯に痛みを感じるのに虫歯や歯周病ではない場合、関連痛が疑われます。関連痛は、実際の痛みの発生源とは異なる場所に痛みが感じられる現象です。神経の経路が互いに影響を及ぼすために発生し、あごの筋肉や内蔵、鼻腔から関連痛が引き起こされることがあります。

ただし、関連痛の原因を特定するのは困難です。まずは歯科疾患の可能性を考慮して、歯科医師に相談することが大切です。

筋・筋膜性歯痛

筋・筋膜性歯痛は、顔やあご、首の筋肉のコリが原因で歯に痛みを感じる症状です。顎関節症や筋肉の過緊張、またはストレスによる筋肉の緊張が原因にあげられます。

なお、非歯原性歯痛の6割以上が、筋・筋膜性歯痛とされています。歯に異常が見られない場合は、筋・筋膜性歯痛を疑い、筋肉をほぐして症状緩和を目指しましょう。

神経障害性歯痛

神経障害性歯痛は、歯そのものには異常がないにも関わらず、神経の異常によって生じる痛みです。たとえば、歯の治療後に神経が過敏になり、持続的な痛みが発生することがあります。また、三叉神経痛など、顔面の神経に関わる障害が原因で歯痛が生じる場合もあるようです。

瞬間的に指すような痛みが起こる「発作性神経痛」と、慢性的に痛みが続く「持続性神経痛」の2種類に分かれています。

神経血管性歯痛

神経血管性歯痛は、おもに片頭痛や群発頭痛が原因で歯の痛みを感じる症状です。頭痛と同時に歯痛を感じるケースが多く、歯科に受診する方もいます。

神経血管性歯痛による歯痛は、脈打つような痛みが特徴です。

上顎洞性歯痛

上顎洞性歯痛は、上あごの上あたりにある、上顎洞(鼻につながる空洞)の炎症や感染によって生じる歯の痛みです。上顎洞が炎症を起こすと、その近くに位置する奥歯が痛みことがあります。

風邪や副鼻腔炎にともなって痛みが現れることが多く、歯を動かしたり、頭を下げたときに痛みが増す特徴があります。

心臓性歯痛

心臓性歯痛は、狭心症や心筋梗塞など、心臓疾患が原因で歯やあごに痛みが起こる症状です。心臓疾患による歯痛は稀であり、個人で原因を特定するのは極めて困難です。

歯科的な原因が見つからず、歯痛が繰り返し起こる場合は、心臓疾患の可能性を考慮しましょう。

気圧性歯痛

気圧性歯痛は、気圧の変化によって歯に痛みを感じる状態です。飛行機の離着陸や高山への移動など、気圧が急激に変化する際に起こりやすいです。

気圧が安定すると自然に和らぐことが多いですが、頻繁に発生する場合は、歯の内部の炎症が原因となっていることも考えられます。

精神疾患または心理社会的要因による歯痛

歯や口腔に異常がないにも関わらず、痛みを感じるケースです。ストレスや不安、うつ病などの精神的負担が強い場合、歯痛のような症状が引き起こされることがあります。

精神的なサポートやカウンセリングが症状の緩和に有効とされ、必要に応じて心療内科や精神科での診断が推奨される場合もあります。

突発性歯痛

突発性歯痛は、X線画像などに明確な原因が見当たらない歯痛のことです。痛みは短時間で消えることもあれば、持続することもあり、痛みの強さや発生頻度には個人差があります。

神経の過敏反応などが要因とされることもありますが、原因が特定できない場合が多いです。

まとめ

歯の痛みを感じる原因は、虫歯や歯周病などが原因の「歯科疾患」と、口径内が原因ではない「非歯原性歯痛」に大別されます。

非歯原性歯痛の場合、ほかの病気の可能性もあるため注意が必要です。

日頃のケアで痛みを改善できるケースもあるので、まずは原因を知るために歯科クリニックを受診しましょう。

痛みの原因を特定することで、適切な治療と早期の改善につながります。

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この記事を監修した人

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医療法人社団ルーブル 理事長

水谷 倫康

愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。

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